KATOエンジニヤリング開発日誌

「アウトプット無きエンジニアにインプットもチャンスも無い」の精神で書いています

レイヤ2のネットワーク機器と通信方式・データ配送方式

前回に引き続き「ネットワーク特論1」の講義内容のまとめになります。

AIITのネットワーク特論1を受講しました - KATOエンジニヤリング開発日誌

TCP/IPモデルの役割と標準化を学ぶ - KATOエンジニヤリング開発日誌

第3回目の目標

  • 通信方式をデータ配送方式と通信相手数の2観点で分類し、それを説明できる
  • MACアドレスの特徴について説明できる
  • イーサネットの特徴とCSMA/CD方式の説明ができる
  • リピータ、レイヤ2スイッチの機能と動きについて説明できる
  • VLANと、LANの冗長化技術について大まかに理解し、説明できる

通信方式の種類

TCPによる通信方式はデータ配送方式と通信相手数の2観点で分類できる。

データ配送方式による分類

コネクション型

コネクション型はデータの送信を開始する前に、送信側と受信側のホスト間で回線の接続をする。

通信の前後にコネクションの確立と切断の処理を行う必要があるが、受信側が通信不可能な場合に無駄なデータを送らずにすむ。

コネクションレス型

コネクションレス型はコネクションの確立や切断処理がない。

送信側はいつでもデータを送信でき、逆に受信側はいつ誰からデータを受け取るかわからない。

そのため、データを受け取っていないかどうかを常に確認しなければならない。

通信方式による分類

回線交換

回線交換は従来の電話で利用されてきた方式で長い歴史がある。

コンピュータが交換機に接続され、交換機間は複数の回線で接続される。

回線を接続することをコネクションの確立といい、一度コネクションを確立すると、切断されるまでその回線を占有利用する。

デメリットとしては、交換機間の回線数よりも通信を希望するユーザーが多い場合、通信ができなくなる点があげられる。

パケット交換

回線に接続しているコンピュータが送信するデータを複数の小包(パケット)に分けて転送する技術。

データをパケットとして細分化することで、各コンピュータが一斉にデータの送受信ができるようになった(回線を効率的に使用できる)。

コンピュータはパケット交換機(ルーター)に接続され、ルーター間は1本の回線で接続される。

課題として、ネットワークの混雑具合によってはパケットの到着間隔が変わったり、パケットが喪失されることがある点があげられる。

但し、これらはTCPを用いることで問題を解決できる。

通信相手数による分類

ユニキャスト

1対1の通信。

従来の電話はユニキャスト通信の代表。

例:学生と先生との1対1の会話。

ブロードキャスト

1台のホストから、接続されるすべてのホストへ向けて情報を発信する。

テレビ放送は不特定多数の相手に向かって通信を行うのでブロードキャスト通信の代表といえる。

テレビ放送は電話の届く範囲に限定されるように、ネットワークのブロードキャストも通信できる範囲が限定されており、ブロードキャストで通信できる範囲をブロードキャストドメインと呼ぶ。

例:産業技術大学院大学の学生全員

マルチキャスト

ブロードキャストと同様に複数のホストへ通信を行うが、通信先は特定のグループに限定する。

例:産業技術大学院大学のネットワーク特論1を履修している学生全員

エニーキャスト

特定の複数ホストに向けて情報を発信するがマルチキャストとは異なり、ネットワーク上で最適な条件を持つ対象が1つ選別され、その対象1つとだけ情報のやり取りを行う。

通常は選ばれた対象からユニキャストで返信があり、以降の通信はそのホストとの間で行われる。

例:産業技術大学院大学のネットワーク特論1を履修している学生の中で資料配布を手伝ってくれる人

アドレスとMACアドレス

アドレス

アドレスとは通信の送信元と受信元を特定する住所のようなもの。

アドレスには通信相手を特定できる唯一性(UNIQUE)が求められる。

ブロードキャストやマルチキャスト、エニーキャストに使うアドレスは複数の相手に同じアドレスがつくと疑問に思われるが、機器の集団を特定するアドレスと考えられるため、アドレスで表される対象は明確に特定できる。

コンピュータ通信ではプロトコルの各層で異なるアドレスが使われている。

  • OSI参照モデルの場合
    • MACアドレス(データリンク層)
    • IPアドレス(ネットワーク層)
    • ポート番号(トランスポート層)
    • 電子メールアドレス(セッション層より上位層)

MACアドレス(Media Access Control Address)

データリンクに接続されているノードを識別するために利用されるアドレス。

ルーターやコンピュータ単位で一意に識別できるアドレスであり、原則として同じMACアドレスのノードは存在しない。

MACアドレスは48bitのコードからなり、前半がベンダ識別子(ELECOMやBuffaloなど)で、後半がベンダ管理のアドレスとなっている。

イーサネット(Ethernet)

物理層・データリンク層で現在もっとも普及しているのがイーサネットである。

イーサネットはXerox社とDEC社によって開発された通信方式で、現在では互換性と将来性を備えたデータリンクといえる。

制御の仕組みが単純なためNIC(ネットワークインターフェースカード)やデバイスドライバが作りやすい。

イーサネットには通信速度やケーブルが異なる多くの仕様が存在する。

通信速度が同じで通信ケーブルが違う場合には、それぞれの通信媒体を変換できるリピーターやハブなどで接続することができる。

通信速度が違う場合には速度変換機能を持つブリッジやスイッチングハブまたはルーターを使用しなければ相互に接続することができない。

イーサネットの種類 ケーブルの最大長 ケーブルの種類
10BASE2 185m(最大ノード数30) 同軸ケーブル
10BASE5 500m(最大ノード数100) 同軸ケーブル
10BASE-T 100m ツイストペアケーブル(UTP)
10BASE-F 1000m 光ファイバーケーブル(MMF)
100BASE-TX 100M ツイストペアケーブル
100BASE-FX 412m 光ファイバーケーブル(MMF)
100BASE-T4 100m ツイストペアケーブル
1000BASE-CX 25m シールドされた銅線
1000BASE-SX 220m/550m 光ファイバーケーブル(MMF)
1000BASE-LX 550M/5000M 光ファイバーケーブル(MMF/SMF)
1000BASE-T 100m ツイストペアケーブル
10GBASE-SR 26m~300m 光ファイバーケーブル(MMF)
10GBASE-LR 1000m~2500m 光ファイバーケーブル(SMF)
10GBASE-ER 3000m~4000m 光ファイバーケーブル(SMF)
10GBASE-T 100m ツイストペアケーブル
  • 10BASEや100BASEの数値はそれぞれ10Mbps、100Mbpsといった伝送速度を意味している。
  • 接尾辞のTやFなどの文字は媒体の違いを表す。

  • 同軸ケーブル

    • 伝送用の1本の芯線(銅線など)を絶縁体で囲み、その外側をコーティングしたケーブル。
  • ツイストペアケーブル
    • 2本の芯線を1対としてより合わせ、その外側をコーティングしたケーブル。
    • 同軸ケーブルに比べるとノイズに弱いが、柔らかく配線が容易なためLANケーブルの代表的なケーブルである。
  • 光ファイバーケーブル
    • 銅線とくらべてノイズが少なく、高速大容量の通信が可能だが業務用以外にはあまり出回っていない。
    • シングルモード・ファイバ(SMF)
      • 光信号の伝播をひとつのモードにすることで減衰を抑えている。
      • 長距離・高速伝送に向いている。
    • マルチモード・ファイバ(MMF)
      • 光信号を複数のモードで伝送するため信号の到達時間にズレが生じ、モード分散が発生する。
      • 光ファイバの接続が容易で、ネットワーク機器が安価に揃えられる。

CSMA/CD方式

10BASE5といった古い規格では、イーサネットもバス型で1本のケーブルに各ホストがぶら下がっていた。

  • CS(キャリア検知)
    • 各ノードは通信を開始する前に伝送路上の他のノードが通信を行っていないか確認を行う。
  • MA(多重アクセス)
    • 誰も送信していなかったら、繋がっているだれもが送信できる。
  • CD(衝突検出)
    • 送信後に衝突を検知したら、ランダムな時間待って再度送信する。

近年では通信速度の高速化とセグメント毎のノード数増加に伴い、CSMA/CD方式の衝突検知では対応できなくなっている。

現在では全2重通信が主流となっている。

レイヤ2のネットワーク機器

リピータ

物理層で使用する信号増幅装置。

  • 減衰した電気信号の増幅や波形の整形などを行い、出力する。
  • 異なる通信媒体の中継はできない。
    • 伝送速度の違う媒体間の中継はできない。
    • 例:同軸ケーブル -> 光ファイバー
  • データ制御は行わない。
  • データリンク層で使われるMACアドレスや、ネットワーク層で使われるIPアドレスを確認しない。
  • リピータによるネットワーク延長は接続段数に限りがある。

ブリッジ(L2スイッチ)

データリンク層で用いるネットワーク機器。

1つのネットワーク(ルータやレイヤ3スイッチで区切られる範囲)の中で、MACアドレスで中継先を判断し、データの転送を行う。

レイヤ2スイッチは自身のポートの先にある1つのネットワーク内にあるホストがどのMACアドレスが割り当てられているか知っていないといけない。

自身のポートの先にどのMACアドレスを持つホストがあるかはアドレステーブルに保持する。

保持しているアドレステーブルに中継を行うMACアドレスが登録されていない場合、1つのネットワーク内の全てのポートへデータを転送する(フラッディング)。

データフレームを一度内部に蓄積するため、伝送速度の異なるデータリンクを接続することができる。

VLAN(Virtual LAN)

物理的な接続とは独立して仮想的なネットワーク構成を構築する技術。

配線を変えずにネットワークの構造を変えることができるので、社員の部署異動や席の入れ替えの際に役立つ。

但し、見た目でわかりにくいので管理しにくいネットワークになる可能性がある。